これまで何度か採り上げてきたが、いよいよクロマグロが禁輸となる日が近づいてきた。
クロマグロ焦点に締約国会議開会 取引禁止反対に全力
野生生物の国際取引に関するワシントン条約の締約国会議が13日、カタール・ドーハで始まる。大西洋と地中海のクロマグロが付属書1に掲載され、国際取引が全面禁止となるかが焦点で、反対を表明している日本は採択間際まで反対票取り込みに全力を挙げる方針だ。会議は25日までで、付属書掲載の是非を問う委員会採決は21日以降となる見通し。
ワシントン条約は175カ国が加盟し、今回は150カ国程度が参加。会場となったホテルには、各国の政府関係者や環境団体、業界団体が結集。クロマグロのほか、アブラツノザメや宝石サンゴの取引規制など約40の提案をめぐり、それぞれの思惑が交錯する独特の熱気に包まれている。
各提案は投票国の3分の2以上の賛成で採択される。クロマグロは乱獲により絶滅の危機にひんしているとして、モナコが提案。既に米国、欧州連合(EU)27カ国が支持を表明している。【共同通信 16:28】
クロマグロ消費国である米国やEUが禁輸支持にまわり、日本、韓国など反対国は劣勢となっている。
だが、本日の別の報道では、オーストラリアが輸出許可制の導入で漁獲管理を徹底し、国際取引の禁止に反対する声明を発表した。
日本と同様の反対の立場になったわけでだが、豪ギャレット環境相の主張によれば、
「モナコ案では国際取引が禁止されてもEU域内での取引や漁獲は認められ、資源量の回復にはつながらない。単純に禁止するより、規制を強化する方が将来の持続的な漁獲を確実にする」と指摘した。
それに対し、日本側の反応は輸出許可制にも慎重な姿勢を崩しておらず、豪州と足並みが揃うかどうか不透明だという。(読売新聞より)
この日本側の姿勢の真意は何であろうか。
現在クロマグロの8割を消費している日本にとって、豪州の主張する輸出許可制にした場合でも、日本への許可条件が厳しくなり取引量が激減することは目に見えているからだろう。
日本がこれまで主張しているのは、漁獲枠の削減であり、違法漁業の監視である。絶滅の危機があるというのであれば、漁獲量を減らし、絶滅しないよう管理するのが筋であり、その枠内で取引をすべきであるということである。
豪州が指摘しているように、この手の規制やルールは西欧人にとって都合の良いように"改善" "改正"される場合が多い。
一方で、豪州の主張は一見反対側の勢力の巻き返しにように思えるが、そこは捕鯨バッシングである日本を叩いている豪州である。(捕鯨反対船シーシャークの標的がクロマグロになることも取り沙汰されている)
つまり、これも日本包囲網のひとつである。反対側につきながら、他の反対国や中間国を取り崩し、結局、条約支持に落ちつかせる外交戦略とも言えるのだ。欧州と豪州はつながっているわけである。
最後の手段として日本は、禁輸が採択された場合、「留保」という立場をとり、他の留保国から輸入を続けるという選択肢もあるようだ。
だが、有力な反対国で漁業国イタリア、スペイン、フランス、マルタ、キプロスなどがEUに取り込まれてしまった以上、有力な留保国が現れるかどうかは疑問である。
いずれにしても、クロマグロは、折りしもの不況と相まって私達の食卓から消えることは勿論、飲食店でもお目にかかれない高級魚となることは必至である...。